有限会社アクラ

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家の個性は、隠れた構造にもある
2025.05.01

こんにちはアクラです。

リノベがスタートしている、岡山市内の某邸

建築時期が40年前後と

まだ極端に古いわけではない建物ですが

建築当初の姿に戻り

内部のしつらえをこれから計画中です。

新築時は当然ながら、内部の間取りと外観を強くイメージを持って計画していきます。

そのため、構造体というのは 上記の主役に合わせるように逆算で形作っていきます。

そして見えなくなると、影の支え役となり

見えない存在になります。

反対に、リノベーションではその構造体を一度見えるようにしたうえで

内部空間を、現代の生活に合わせて再計画していく行為になります。

リノベーションをしていくと、対象の建物それぞれに 固有の個性・そして歴史を持っていることに気づかされます。

その骨組みを全部取り除いてしまう・原型が無いほど変えてしまう・もしくは見えなくしてしまうのでは 建物がたどった歴史を無視するような感覚があります。

アクラでは、建物固有の構造が持っている個性も

デザインの一つだと考えています。

リノベーションの難しく、そして面白い作業の一つに

既存の建物との対話が

あるのだと思います。

私たちの建築という仕事の意味を

たどった歴史を通じて考える作業は

大切だなと思います。それと同時に

クライアントの生活を

想像する時間を与えてくれている

気がするのです。

作りながら考える。
2025.04.25

こんにちは、アクラです。

新緑が目に飛び込んでくる季節となってきました。

目にも体にも爽やかな時期です。

アクラでは建物を作りながら考える

ようにしています。

建築工事の都合上、段取り・準備を考えるのであれば、すべて設計し終えてそれぞれの

発注をしつつ、工事に着手していく事がセオリーではあるのですが

空間というのは、出来上がってみないとその場の空気感や景色というのは、想像と異なってくるものだと考えます。

私たち建築のプロでもそう思うのですから、クライアントはその数倍 感じる事も多いのではないかと思うのです。

空間をその場で感じてもらうには

やはり出来上がったあとでないと

分からないことも多いです。

その時の季節や、空気、風の流れ

湿度や音の具合など

複数の要因を感じながら

アプローチから生活の流れを

確かめることで

図面や仕様書だけでない

実際のスケール感覚や

時間の流れも、想像し、また

気づくことも多いわけです。

現在の住まいを改修する

リノベーションなら想像

しやすいですが

新築の場合は、なおさら

作りながら考えることが

大切ではないかと思うのです。

効率化の時代とは少し逆行するようですが、感覚的に空間を確かめる作業が

住み手の建築に対する

愛着の深さにも

つながってくるのではないでしょうか

緑と共に建築を
2025.04.17

こんにちは、アクラです。

三寒四温ももう最後の時期になって

きましたね。

本日から暖かい日が続きそうです。

この時期になると

住まいの周辺で草刈りが大変になってきます。

花々が元気になるという事は

当然ほかの緑も元気に

なるわけですから

当然なわけなのですが

自分たちだけ、住まいの中で快適で

外の事は関係なし というわけにはいかないのかな思います。

木造を扱うものとしても

空気の循環を長年重ねた結晶を

たくさん使って建てる住まいと

やはり外と中はつながっているのでは

ないかなと思います。

その役割が少なからず『庭』にあるように

感じます。

当然、手入れの大変さはあるのですが

ふと見渡す室内から

緑が見える事で、伝わってくる

外とのつながりを

大切にすることは大事かなと考えます。

草木が揺れ、日差しや、雨水に

さらされる事が、本来の

自然環境である事を

日常の中に少し取り込んでいくと

より、暮らしが豊かになるのでは

ないでしょうか。

現場作業をしながらも

景色づくりに

悩むことも多いのであります(笑)

丈夫なスケルトン 多様なインフィル
2025.04.11

こんにちはアクラです。

現在リノベーション工事が

数件あり、アクラの腕が鳴っております(笑)

よくリノベーションや

建築工事の考え方で

スケルトン・インフィル という言葉があります。

躯体※骨組み と

内装・設備

と、日本語では解釈されています。

日本の建築は

どうしても、外部と内部が繋がっている考えが多く

内部の間取りを、都度変化させる

という考え方がまだ少ないです。

インフィル※内部空間 を自由に考える

事は、非常に重要で

家庭も家族も、5年・10年ピッチで

大きく変化することが

普通にあります。

家族自体が変わる【持ち主が変わる】こともあれば

建物を使う用途も

変わることもあり得ます。

そうした長期的な目線で

建物の価値を高めるにも

スケルトン・インフィル

内部を自由に変化しやすくできる

建物作りは、結構重要なことだと

思うのです。

現在、アクラは クリニックの工事と

住宅のリノベーションを行っていますが

躯体の魅力を引き出すことも

重要だなと思っています。

魅力は、建物を隠しきってしまうのではなく

建物がたどった軌跡も

見せつつ、表現したいなと考えます。

住み手・使い手の満足もしかり

建物のブラッシュアップに

まだまだ腕を磨かねばと

思うのであります。

そこに居ました
2025.04.01

こんにちはアクラです。

梅の花が満開で、今日は桜の花が膨らみ

満開直前の気配がしています。

リノベ佳境の『龍ノ口小屋』

昨年の夏にジャングルだったとこから

徐々に伐採、解体をおこなってきた

山小屋のリノベーション

完成に近づく山小屋を目にしながら

話をしていると

多くの人がお声をかけてくださいます。

昨年は振り向かれることはなかった建物が

今は、通るたびに振り向いてしまう

不思議な雰囲気が出てきました。

本日は、隣の畑を持たれている方から

素敵な旬野菜を

いただきました。

樹木に埋もれ

山に取り込まれかけていた彼を

少しずつ、少しずつ

埃を払って、磨いていくと

徐々に元のさわやかさを

取り戻してくれて来た感じが

しています。

じーっと見ていると

建物のシルエットが良いのか?

というのもありますが

もしかしたら、スタートの建て主は

今の景色を見ていたのかもしれません。

森の傍らに礎を築いた、一番最初の

建て主と、その想いのストーリーに

感謝をしたいなと思います。

そのスタートが無ければ

現在のロケーションは存在しない

のですから。

晴れの日も

雨の日も

寒い日も

暑い日も

味わい深い空気がここにはありそうです。

さて、仕上げも、もうひと踏ん張りです。

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